階級社会という歪みを犯罪という手立てを用い、正そうとするウィリアム。 繊細で"透明感"のある花々の香りは、“犯罪相談役”として 正体を世間へ悟らせることなく計画を指揮していく彼の姿を象徴させます。 ラストノートで漂い出すフルーツの甘い香りは、志を強く持つ者たちが 命捧げると忠誠を誓うまでに惹き寄せられる彼の魅力を表現しています。
<香りイメージ>
トップノート:フリージア、スズラン、ロータス
ミドルノート:ルシャス・ジャスミン、キンモクセイ、ティアレ・フラワー
ラストノート:ブルーベリー、ラズベリー、アーモンド、バニラ
自身の知識欲を満たすために謎を追い求め自由奔放に振舞い、 持ち込まれる謎も自身の興味を惹くか否かで選ぶシャーロック。 しかしその奥底には不器用ながらまっすぐな心が隠れています。 ブラックカラントを頭にした、彼の一癖ある性格を主張するような香りは、 身に沁みた薬品や煙草の香りと混ざりあい、彼の不思議な魅力をより引き立てます。
<香りイメージ>
トップノート:ブラックカラント、ベルガモット
ミドルノート:ジャスミン、パチュリ
ラストノート:ムスク、オークモス
舞台の表に立ち続け貴族社会を諦観し、常に悠然とした微笑みを携えるアルバート。 シンプルな調香で柔らかく品のある香りは、他者に好感を持たせやすく 社交場での彼の役目を後押ししてくれることでしょう。 柔らかな残り香は、人々を惹きつけながらも離れた瞬間には空間へ溶け 本性を決して掴むことのできないアルバート自身を表す香りともいえます。
<香りイメージ>
トップノート:クリーミー・オーキッド、シトラス
ミドルノート:水仙、パチョリ
ラストノート:センシュアル・シダー、ホワイト・アンバー、ムスク
3兄弟の中では控えめな振る舞いが多くも、 その瞳には確かに兄たちと同じ道を見据える強い光が宿っているルイス。 シトラスやエキゾチック・ジャスミンの情熱的な香りは、 彼の実兄ウィリアムへの苛烈ともいえる感情を伝えてきます。 次第に優しくなっていく香りは幼き日から続く兄への純粋な思いやりであることを ラストノートの優しい香りが表現します。
<香りイメージ>
トップノート:シトラス、エキゾチック・ジャスミン、ヒヤシンス
ミドルノート:アイリス、ホワイトムスク
ラストノート:パチョリ、アンバー、ベチバー
元軍人として一見粗暴に見えるも、兄貴肌で面倒見が良く 年長組としてウィリアムたちを支えるモラン。 シトラスを筆頭に爽やかに広がり全体的に男らしさを強調する香りは、 他を圧倒する勇ましさを持つ彼の男性的な魅力を惹き立てます。 ミドルノートは花々の優しくも甘い香りで、女性受けが良く 彼の女性を惹きつける伊達男としての一面も漂わせます。
<香りイメージ>
トップノート:シトラス、ベルガモット、ガルバナム ジュニパー、ローズ、ゼラニウム
ミドルノート:ラベンダー、ジャスミン、バイオレット、ナツメグ
ラストノート:シダー、アイリスウッド、サンダルウッド ベチバー、ムスク、アンバー
花を愛で、弱い立場の人間を見捨てない、誰よりも強く優しい心を持つフレッド。 どこまでもやわらく広がる香りはそんな彼の優しさを感じさせます。 ローズの香りにこだわった調香は、彼が庭師の仕事を行う中で 世話をする薔薇たちから自然と移った香りを表現しつつ 彼の本来の役割である変装や密偵を阻害しない、空間へ溶け込みやすい香りです。
<香りイメージ>
トップノート:ローズ、グリーンティー
ミドルノート:ターキッシュローズオイル、マグノリアフラワー
ラストノート:シダーウッド、ソフトムスク
©竹内良輔・三好 輝/集英社・憂国のモリアーティ製作委員会